ブレインテックによって仕事で「自分の体を動かす」というスキルが不要になるかも?

「ブレインテック」と呼ばれる、脳科学を活用したテクノロジー分野があります。
※アメリカでは「ニューロテック」という呼び方のほうが一般的です

ブレインテックの技術を活用した器具を使用すると、頭の中で思考したり視線を動かすだけで

  • パソコン画面に表示されているカーソルを動かす
  • パソコン画面に文字を書く

などができるようになります。

つまりパソコンを操作するのに、指や手を使う必要がなくなるのです。
となると「タッチレス」でパソコンが使えるようになり、みなさんの働き方がガラッと変わります。

具体的に言うと、マウスやキーボードを使う人が近い将来いなくなることだってありえます。
さらに未来の話をすると、もしかしたら体が自由に動かなくてもパソコン等をつかいロボットを動かして仕事ができるようになるかもしれません。

この記事では、開発が進行しているタッチレスでのパソコン入力の方法について紹介します。

ヘッドセットを装着してパソコンに指示を出す

まず最初に紹介するのは
「ヘッドセット」
と呼ばれる専用の器具を頭に装着してパソコンなどを操作する方法です。

百聞は一見にしかずです。
じっさいのヘッドセットを見てみましょう。
下の画像がCognixionという会社が開発したヘッドセットです。

Cognixionのヘッドセット

Cognixionのヘッドセット 画像はCognixion公式サイトから引用

これを装着し、ヘッドセットのディスプレイに表示されるキーボードのボタンを見つめます。
すると、見つめたボタンのデータが端末に出力される、という風な仕組みです。

Cognixionのヘッドセットを装着すると表示されるキーボード

もしこのヘッドセットがパソコンと連携したりしたら、おそらく指や手を使わないでもオフィスワークなどの仕事ができるようになるはずです。

サイト管理人 南研吾
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Cognixionのヘッドセットは脳から思考を読み取るものではありません。
目の動きによって生じる脳波を読み取り、ディスプレイなどに反映させるタイプです。

脳に専用のデバイスを埋め込み、脳波から指示を出す

最初にヘッドセットを使うタイプを紹介しました。
ちなみに、ヘッドセットなど装着して装着者の脳波を読み取る方法は
「非侵襲型(ひしんしゅうがた)デバイス」
とも呼ばれます。

次は非侵襲型ではなく、脳に専用のデバイス(器具)を挿入するタイプの
「侵襲型(しんしゅうがた)デバイス」
を紹介します。

サイト管理人 南研吾
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侵襲型デバイスを脳に納入するには外科的な手術が必要です。
だから一般に普及するのはかなり遠い未来になるはずです。
もちろん、いつになっても実用化されない、なんてこともありえます。

イーロン・マスクのNeuralink(ニューラリンク)

イーロン・マスク氏は「テスラ」の経営者、さらには世界トップクラスの資産家としても有名です。
そんなイーロン・マスク氏はテスラ以外にもNeuralink(ニューラリンク)という会社も経営しています。
このNeuralinkが、チップ型の侵襲型デバイスを開発しています。

下の動画を見てください。
これは、サルがゲームで使われるようなスティックを手でつかんで操作し、ピンポンゲームで遊んでいる動画です。
上手にピンポンゲームのバーを動かしていることがわかります。

いっけん、なんてことはない普通の動画です。
ただサルが遊んでいるだけです。
「サルもこんなことできるんだあ」
と思うくらいで、特に珍しい動画ではありません。

けど、2分16秒くらいから異様な光景がうつされています。
画面からスティックが消え、もうサルはスティックをつかんでいません。
なのにサルはピンポンゲームで遊び続けています。
バーもしっかり動き続けています。

サイト管理人 南研吾
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2分16秒以降にサルがつかんでいるのはご褒美のバナナジュースが出てくる、ただの管です。

このサルの脳内にはNeuralinkが開発したチップが埋め込まれています。
下の画像のようなチップです。

Neuralinkのチップの埋め込み方

Neuralinkのチップの埋め込み方 画像はNeuralink公式ユーチューブからキャプチャーして引用

このチップがサルの脳波を読み取り、ピンポンゲームのバーを動かしているのです。

この技術を人に使えば、脳から思考するだけでマウスなどを動かすこともできそうです。
技術的には、もうこんなことができるようになっているのです。

スタンフォード大学は文字入力の高速化に成功

侵襲型デバイスについては世界中で研究が進んでいます。
アメリカのスタンフォード大学も開発していて、2021年に論文が発表されています[1]nature:High-performance brain-to-text communication via handwriting

スタンフォード大学はサルではなく人で実験しています。
下の動画を見てください。
動画には侵襲型デバイスを装着した男性が写っています。
そして動画の16秒あたりから、パソコンの画面に文字を入力しています。
もちろん、手は動かしていません。

この実験ではデバイスを装着した男性は、頭の中でペンをつかんで紙に文字を手書きすることをイメージしています。
下の画像の右部分のようなかんじです。

脳内で紙に文字を手書きするイメージ

脳内で文字を手書きするイメージ 画像はHHMI Howard Hughes Medical Instituteの動画からキャプチャーして引用

そして、脳内にイメージした文字がパソコンに反映される、という仕組みです。

この実験では、94.1%の精度で毎分90文字の入力に成功したようです[2]Tech Crunch:思い描いた手書き文字を脳インプラントとAIで認識し毎分90文字入力、スタンフォード大が研究論文
ちなみに、カーソルを動かして入力する方式では毎分39文字だったので、スピードは2倍以上になっています。

サイト管理人 南研吾
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日本語のかな入力の場合、1分あたり100~120文字くらいを入力できれば問題なく仕事ができると言われています[3]PASONA:あなたのタイピングスピードはどのくらい?自分の腕を試してみましょう!

「自分の体を動かす」というスキルが不要になるかも

この世界にはたくさんの仕事があります。
しかし、仕事のほとんどは
「自分の体を自分の意思で自由に動かせる」
というスキルが求められていました。

もしブレインテックが普及したら「自分の体を自由に動かせる」というスキルが仕事で求められなくなるかもしれません。
そうなったら

  • 体を自由に動かせない高齢者
  • 怪我や障害を持っている人

などでもできる仕事が一気に増えるはずです。

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